南米各地で群発する“国境紛争”の行方

執筆者:クリス・クラウル 2010年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

コロンビアとベネズエラ、ペルーとチリ……対立の根に何があるのか。紛争解決を求めて国際司法裁判所に持ち込まれたケースへの判断は――。[サンティアゴ発]南米大陸はこのところ、まるで近隣同士がいがみ合う危険なストリートのようだ。対立の理由は、むろん犬や音楽の騒音などではない。麻薬対策、国境を越える環境汚染、そして昔ながらの国境の線引きをめぐる争い、これらが各国間の緊張を高めている。とりわけ、国境画定は、石油や漁場といった資源確保と絡むだけに対立は深刻だ。 現在、最も緊迫しているのは、コロンビアとベネズエラだ。コロンビアが二〇〇九年八月、麻薬取り締まりと情報収集を目的として、米国防総省に計七カ所の基地の使用を許可したことが、反米を掲げる隣国ベネズエラの反発を招いた。従来、アメリカは麻薬対策の拠点をエクアドル西岸のマンタ基地に置いていたが、エクアドルのラファエル・コレア大統領が使用許可を延長しなかったため、アメリカは代替基地をコロンビアに求めたのだ。 ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、アメリカがコロンビアに基地を構えるのは、ベネズエラを侵略する準備であると非難(アメリカとコロンビアは、そんな意図はないと否定している)。「報復」として、コロンビアとの国境を封鎖し、牛肉や自動車などコロンビアからの輸入を停止した。さらに、十一月五日には国境地帯に兵士一万五千人を派遣し、自国民に対して、“来るべき戦争”に備えるよう呼びかけた。

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