共和党を揺るがすティーパーティー運動

足立正彦
執筆者:足立正彦 2010年9月17日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米国時間14日に実施されたデラウェアやニューヨークをはじめとする5州での予備選挙は、共和党予備選挙プロセスにおけるティーパーティー(茶会党)運動の強さを改めて認識させられる選挙結果となった。同時に共和党にとり茶会党運動は、撹乱要因となることも再び明らかになった。

 共和党エスタブリッシュメントが擁立する候補を破ってデラウェア州選出共和党上院議員候補の指名を獲得したのは、茶会党勢力やサラ・ペイリン前アラスカ州知事、共和党内財政保守派の重鎮ジム・デミント上院議員(共和党―サウスカロライナ州)らの支援を受けたクリスティン・オドネルだ。同州選出上院議員選挙で、かつて二度、ジョゼフ・バイデン(現副大統領、民主党)に挑んで敗北した経歴がある。だが、今回、オドネルは、現職下院議員であり、デラウェア州知事を二期務めたベテラン穏健派政治家のマイケル・キャッスルに得票率6ポイント差をつけて勝利した。茶会党勢力は選挙キャンペーン終盤に、キャッスル追い落としのために25万ドル以上の政治資金を注ぎ込んでいた。

 筆者がワシントンで共和党系有力シンクタンクの米国政治専門の著名なフェローと意見交換する度に、今年の中間選挙で共和党が上院で過半数の議席を奪回するために期待を寄せている候補として必ず名前が挙がっていたのが、広範な中間層の有権者の支援も期待できる政治経験豊かなキャッスルであった。そのキャッスルがオドネルにまさかの敗北を喫したことは、共和党エスタブリッシュメントにとってはとてつもなく大きな衝撃である。
 
 また、ニューヨーク州知事選では、政治経歴のない富豪のカール・パラディーノが共和党候補となった。パラディーノは、2000年ニューヨーク州選出上院議員選挙でヒラリー・クリントンに敗れた共和党主流派のリック・ラジィオ元下院議員に圧勝した。茶会党勢力の熱心な支援を受け、既成政治の打破を訴えて終盤の追い上げでまさかの勝利を収めたのだ。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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