オバマ政権「高官人事」の波紋

足立正彦
執筆者:足立正彦 2010年10月4日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 オバマ大統領をホワイトハウスで支えてきた高官らが相次いで辞任したり、辞意を表明したりしている。引責辞任と映ることを避けて、苦戦する中間選挙を前にホワイトハウスを去りつつある。

 大統領首席補佐官のラーム・エマニュエルは今月1日辞任した。リチャード・デイリー市長の後任となるべく、来年2月22日投票のシカゴ市長選に出馬する。後任にはオバマが上院議員時代に首席補佐官を務めたピート・ラウス大統領上級顧問が暫定的に就任する。2008年大統領選でのオバマの勝利に選挙キャンペーン戦略の側面から貢献したデビッド・アクセルロッドも、2012年大統領選再選に向けた準備のため大統領上級顧問を辞任することになった。中間選挙が終われば米国は2年後の2012年大統領選の政治サイクルに突入する。

 経済チームに目を転じると、大統領補佐官(経済担当)兼国家経済会議(NEC)議長として、大型景気刺激策をはじめとするオバマ政権の経済政策の舵取りをしてきたローレンス・サマーズが年末に辞任する。経済チーム中枢の辞任発表は、今年7月のピーター・オルザッグ行政管理予算局(OMB)局長、9月のクリスティーナ・ローマー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に続き3人目だ。サマーズとローマーはそれぞれ古巣の教授職に復帰する。大学教授は休職期間が2年の場合が多く、復帰しないと教授職を失ってしまうために二人の辞任はある意味必然的だ。だが、米経済が低迷し、雇用情勢も改善されない中、経済担当の高官の相次ぐ辞任はオバマ政権の経済政策が機能していないと有権者に印象付けてしまっている。財務省で不良資産救済プログラム(TARP)を管轄していたハーバート・アリソン財務次官補(金融安定化担当)兼財務長官顧問の辞任も象徴的だ。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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