【焦点の人】シェリー・ブレア(ブレア英首相夫人) ブレア英政権浮沈の鍵を握る賢夫人の素顔

執筆者:松島芳彦 2000年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

 ヒラリー米大統領夫人は、申し分のない富と地位、名声を手に入れながら夫の女性問題に傷ついた。だが、ことし五月に四十五歳で四人目の子供を出産するシェリー英首相夫人は、およそ女性が望むすべてのものを手に入れたかのようだ。首相夫人の華やかな役割を果たすだけでなく、英国でも一流の法廷弁護士である彼女は、今回の妊娠で妻や母親としての幸せも国民に印象付けたからだ。 夫のブレア首相は、二十世紀から二十一世紀にかけて政権を担当し、大英帝国の遺産克服と「新たな英国」の建設により歴史に名を残す野望に燃える。才色兼備の夫人との間に、新千年紀の最初の年に誕生する「ミレニアム・ベビー」のニュースに英国は沸き立った。ゴシップが売り物の英マスコミは、ポスト・ダイアナの目玉として追いかけ回そうと待ちかまえている。 夫人は今後、首相夫人、四人の子供の母親、夫を上回る年収二十万ポンド(約三千五百万円)の法律家という三つの役割を見事にこなすスーパー・ウーマンとしてのイメージを期待される。英国で急増する働く女性にとっては彼女の一言一言が励ましの言葉として響き、英国民の多くはブレア一家に理想の家庭像を見ようとするだろう。 ブレア首相は昨年暮れの演説で、英国の理想像として「最強ではないが最良の国家」との考え方を打ち出した。米国のように軍事と経済で世界を牛耳る力はなくても、国民が人生の価値を実感できる国家というほどの意味だ。新たな社会民主主義の姿として首相が掲げる「第三の道」はその「最良の国」へと通じることになる。こうしたブレア改革のキーワードが「教育」や「家庭」であり、二〇〇一年にも総選挙に打って出て再選を勝ち取りたい首相にとって、ミレニアム・ベビーは強力な助っ人になる可能性が高い。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順