プチン政権でも変わらない「略奪資本主義国家」ロシア

執筆者:桜井薫 2000年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

大統領辞任とひきかえにエリツィン氏が求めたのは「一家の生活安全保障」だけ[モスクワ発]ロシアのボリス・エリツィン大統領(六八)が一九九九年十二月三十一日、夏までの任期を待たずに突然、辞任を表明した。「ロシアは新たな千年紀を新しい政治家、能力と強さと活力のある人々とともに迎えなければならない」――。新年を前にした恒例の国民向けテレビ演説でこう訴えたエリツィン氏は、大統領後継に推す旧国家保安委員会(KGB)出身のウラジミル・プチン首相(四七)を大統領代行に任命。六月の予定だった次期大統領選挙も三月二十六日に前倒しされることになり、政権側が画策してきた「プチン禅譲」のシナリオが大きく現実味を増してきた。「プチン禅譲」のシナリオ テレビインタビューに答えたプチン氏によると、エリツィン大統領が初めて辞任の意向を明かしたのは十二月二十二日のことだった。大統領と首相の定例会談としてクレムリンに呼ばれたプチン首相は通常通り、戦闘の続くチェチェン共和国青勢や国内の社会経済問題などをエリツィン大統領に順次説明し始めた。ところが大統領は気もそぞろで、会談の内容に集中していない。様子がおかしいと思いつつも報告を続けていると、大統領は突然、首相の話を中断して「私は任期前に辞任するつもりだ。政権を引き継ぐ心構えはあるか?」と切り出した。あっけにとられたプチン首相はその時、大統領の言葉を全く信用しなかったという。

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