長谷川耕造(グローバルダイニング社長) 超実力主義と民主主義を実践する二十一世紀型経営者

執筆者:仁科京輔 2001年1月号
エリア: 日本

 戦後民主主義――。二十世紀の遺物のようなこの言葉を経営に実践している男がいる。しかもその男の会社では二千万円の年収を得ている二十代社員がいる。IT企業でも金融機関でもない。外食企業である。ラ・ボエム、ゼスト、モンスーンカフェといった有名レストランチェーンをつくり、二十年にわたって六本木、青山、原宿、西麻布、代官山、渋谷、白金台といったスポットをいち早く開拓し、流行の先陣を切ってきた。世田谷・三宿のように、この男のレストランの開店がきっかけで盛り場として発展した街もある。長谷川耕造、五十歳。一九九九年十二月、東証二部に上場した株式会社グローバルダイニングの創業経営者である。 長谷川の経営の特徴は、その徹底的な理想主義と結果だけを重視する極端ともいえる実力主義を組み合わせている点にある。例えば彼の会社には人事部がない。店長以上の社員が投票権を持ち、経営事項は投票で決める。社長の長谷川の票も一票としてカウントされるため、彼の言いなりだけでは経営は動かない。どの店で働きたいか、どの職種で仕事をしたいかも当人の立候補で決まる。しかも徹底したアンチ学歴主義である。社長以下役員には大卒が一人もいない。役員会は高卒と大学中退者だけで構成される。東証上場企業で経営陣に大卒者がいない会社はおそらくここだけだろう。

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