-26億9000万ドル

執筆者:伊藤洋一 2001年5月号

 五月九日に日米の代表的ネット企業の決算発表があった。前者は携帯電話会社でありながらiモードで急速にネット企業化しつつあるNTTドコモ、後者はアメリカの代表的ネット企業シスコ・システムズである。決算発表が同じ日だったので余計目立ったのだが、ドコモは三月期の連結経常利益は前期比三六・五%増の六八六九億一八〇〇万円と過去最高益を更新。iモード加入者が三月末で二一七〇万人と順調に伸びたため。 これに対しアメリカのネット企業の優等生と言われたシスコの二―四月期決算は二六億九〇〇〇万ドルの赤字となった。同社の赤字は、株式公開以来初。しかも、その額も尋常ではない。チェンバース社長は、「ネット時代の景気の山は予想外に高かったが、谷の深さも想像を超えていた。どれほど早く深い谷がやってくるか我々経営陣は見誤った」と完璧な敗北宣言。 同じネット企業といっても、片方はモバイル、シスコは「通信・ネットワーク機器」の範疇に入る会社である。この両者の明暗を見て言えることは、ネット界を先導してきたアメリカ企業だが、「モバイルでの弱さ」が一つの盲点になりつつあるのではないか、という点である。アメリカにもPDAのようなモバイルはあるが電話と一体化したiモードのような便利なものはない。

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