超積極戦略をとるインテルの狙い

執筆者:九鬼新平 2001年6月号

ITバブルが弾けたにもかかわらず、年間九千億円を超える巨額設備投資 世界のIT(情報技術)関連企業が、急速な需要減に対応して一斉に生産調整や事業規模の縮小に動いている中で、インテルは二〇〇一年には例年以上に積極的な巨額投資に踏み切る。パソコン用MPU(マイクロプロセッサー)でライバル企業を蹴落とし、携帯電話機、デジタル家電、インターネット端末など幅広いデジタル機器で覇権を握ろうという戦略だ。しかし、企業規模の拡大ペースははっきりと鈍化しており、こうした巨額投資に懸念も高まっている。 五月末、インテルの株主総会で、創業者の一人ゴードン・ムーア氏が取締役を退任、経営の一線から完全に退いた。ムーア氏は、シリコンバレーのドンで、インテルの経営者として抜群の能力を発揮、世界最大の半導体メーカーに育てた。このムーア氏は、経営者としても有名だが、もう一つ、「ムーアの法則」の発案者としても知られる。「一年半から二年ごとに半導体の集積度は二倍に増える」という内容だが、世界中の半導体メーカーはこの法則を競争のルールとして長年、熾烈な生産・開発競争を演じてきた。 インテルの経営者としては現会長のアンドリュー・グローブ氏も有名な人物だ。グローブ氏は「この業界ではパラノイアだけが生き残れる」をモットーにした積極経営で知られるが、この戦略も、ムーアの法則が根底にある。

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