グローバル市場を守るための「必須条件」

戦争は終わったとはいえ市場に垂れこめた霧は依然として深い。外交舞台での先進国間の軋轢が、統制や保護措置の乱発へとつながる可能性があるからだ。世界経済はいま、ブロック化の誘惑に晒されながら、大きな岐路に立っている。 市場の関心は再び、経済指標や経済政策に向かいつつある。米経済専門チャンネルCNBCの画面からも戦場風景が姿を消し、株価チャートやアナリストのコメントが際限なく続く平時の姿に戻った。だが、戦争終結が国際政治のきしみの消滅につながらないことを市場も根底では感じ取っている。 イラク戦争やこれを巡る国際的な緊張の高まりは、世界経済が大きな岐路に立っていることを浮かび上がらせようとしている。九〇年代に進んだ経済のグローバル化がさらに加速するのか、それとも潮が引くように勢いをなくしていくのか、である。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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