アリスティド大統領辞任後も続くハイチの混迷

執筆者:前田浩志 2004年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

[サンパウロ発]「これは米国が仕組んだ新手のクーデターだ」――民兵組織の武装蜂起で辞任し、国外に脱出したハイチのジャンベルトラン・アリスティド大統領(五〇)は三月一日、逃亡先の中央アフリカ共和国から親交のある米議員に電話で訴えた。一週間後の記者会見でも、「政治的な拉致が起きた」などと述べ、自身の辞任と出国が意に反して行なわれたと強調。それに対し、米国はすぐさま、アリスティド氏の出国は本人の意思によるものだと反論した。 ちょうど二百年前に世界初の黒人国家ハイチの独立宣言が読み上げられた北部にある国内第四の都市ゴナイブで、アリスティド政権打倒を掲げる民兵組織が蜂起し、警察署を占拠したのが二月五日。反乱は各地に次々と飛び火し、三週間後には首都ポルトープランスが包囲状態に置かれた。 頑なに辞任要求を拒み、治安回復のための国際部隊展開を訴え続けたアリスティド氏だったが、米政府は二月二十八日、ハイチの危機は「大統領自身が作り出したものだ」として辞任を勧告。同氏は翌二十九日早朝、米国が用意したチャーター機で国外に脱出し、二十四日間にわたる政変は幕切れを迎えた。「拉致」の有無はさておくとしても、米国が今回の辞任劇で重要な役を演じたのは確かだ。

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