「イラク戦争」の一年を読む――開戦後三六六日の歴史的意味

執筆者:立山良司 2004年4月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 北米 日本

 E. H. カーは名著『歴史とは何か』で、歴史とは歴史家が無数の原因結果の連鎖の中から歴史的に意味があると思われる関係を選択的に取り出し、解釈を加える作業であると述べている。イラクに対する米英軍の攻撃開始からちょうど一年がたった。この間、イラクや中東、さらにイスラム世界では無数の出来事や事件がさまざまな因果関係を紡ぎだしてきた。我々は過去一年の連鎖の中からどのような視点に立って有意味と思われる関係を取り出し、それを解釈すればよいのだろうか。 ここではまず、(1)中東の域内関係の流動化とその背景、(2)政治化したイスラム世界とイスラム過激派によるテロの増大、(3)民主化など改革を求める中東・アラブ世界の内外の動きとそれへの抵抗、という三つの流れを抽出する。その上で、イラク占領の正当性を軸に米国と国連との関係の変化を振り返り、その意味を日本の課題と合わせて検討する。

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