北朝鮮「SLBM」発射成功(下)「次は原潜建造」が及ぼす波紋

執筆者:平井久志 2016年9月2日
エリア: ヨーロッパ アジア
8月25日に朝鮮中央通信が配信した、軍人たちとともに歓喜する金正恩氏の写真。前日のSLBM発射実験成功時のものとされる (c)AFP=時事

 北朝鮮では8月25日は軍事優先路線を掲げる「先軍節」の日だ。「労働新聞」など北朝鮮に主要メディアは金正日(キム・ジョンイル)総書記が1960年8月25日に金日成(キム・イルソン)主席とともに朝鮮人民軍ソウル柳京第105戦車師団を訪問したことで白頭山から始まった朝鮮革命の銃剣重視の歴史と勝利の伝統がしっかりつながったなどとキャンペーンを展開した。SLBMの発射事件の成功は「先軍節」への祝砲であった。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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