トリチウム水「海洋放出」を危惧する福島の漁業者

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2016年10月24日
エリア: 日本
10月1日、祭りでにぎわった福島県相馬市の松川浦漁港(筆者撮影)

 廃炉工程にある東京電力福島第1原発でいま、汚染水の処理後、構内のタンクで保管中の水が約80万トンに上っている。「浄化水」ではなく、水と唯一分離不可能な放射性物質トリチウムが溶け込んだ廃液だ。それを希釈して海に放出し、汚染水問題を一気に解消したい政府に対して、地元福島県の漁業者たちは絶対反対の構えだ。科学的に安全なレベルに薄められても汚染水に変わりはなく、大量放出となれば計り知れぬ「風評被害」再燃の恐れがある――との理由からだ。こつこつと試験操業が続けられてきた福島の漁業復興の上で最大の懸案になっている。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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