インド「高額紙幣廃止」はブラックマネー対策に有効か

執筆者:緒方麻也 2016年11月16日
「高額紙幣廃止」発表の2日後に来日し、翌11日には天皇陛下とも会見したモディ首相(C)時事

 

 インドのナレンドラ・モディ首相は11月8日夜、ブラックマネーや汚職、偽札対策として、500ルピー、1000ルピー(1ルピー=約1.6円)の高額紙幣を無効にする、と発表した。このため、数少ない入金可能な銀行のATMには、高額紙幣を預け入れて100ルピー以下の小額紙幣を引き出そうとする人の長蛇の列ができた。政府が「11日までは高額紙幣による預金や新紙幣との交換が可能」としていたにもかかわらず、一部の商店やガソリンスタンドなどが受け取りを拒否するなど、少なからぬ混乱が広がった。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top