インド「高額紙幣廃止」はブラックマネー対策に有効か

「高額紙幣廃止」発表の2日後に来日し、翌11日には天皇陛下とも会見したモディ首相(C)時事

 

 インドのナレンドラ・モディ首相は11月8日夜、ブラックマネーや汚職、偽札対策として、500ルピー、1000ルピー(1ルピー=約1.6円)の高額紙幣を無効にする、と発表した。このため、数少ない入金可能な銀行のATMには、高額紙幣を預け入れて100ルピー以下の小額紙幣を引き出そうとする人の長蛇の列ができた。政府が「11日までは高額紙幣による預金や新紙幣との交換が可能」としていたにもかかわらず、一部の商店やガソリンスタンドなどが受け取りを拒否するなど、少なからぬ混乱が広がった。

 

あの手この手の課税逃れが横行

 約13億人の人口を抱えるインドだが、個人所得税を払っている人は5000万人弱。貧困層や下位中間層の大部分は所得が免税枠以下ということもあるが、徴税能力の低さに加え、商店や企業などの税金逃れが横行していることが背景だ。

 インドで家を借りようと思えば、大家から「住居本体部分」「家具」「メンテナンス経費」など複数の契約書を作成するよう求められるケースが多い。税務署にはこのうち一部しか申告しない、というわけだ。また家電などを買う場合、店主から「領収書なしでよければ消費税分をまけてやる」と言われることもある。善良なインド人でも、多くがあの手この手で税金逃れに精を出しているのである。

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