朴槿恵大統領「弾劾列車」(上)「来年4月辞任」受け入れ「弾劾訴追」の覚悟も

平井久志
執筆者:平井久志 2016年12月6日
カテゴリ: 国際 政治
11月29日の朴槿恵大統領の談話を、韓国各紙はこんな形で伝えた (c)時事

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は11月29日、友人女性の国政介入疑惑に関連し3回目の談話を発表し「私の大統領職の任期短縮を含む進退問題を国会の決定に委ねる」と述べた。
 朴大統領のこの談話は、一種の条件付き辞任表明であり、朴大統領の去就が一気に政局の焦点となってきた。
 しかし、韓国民は自身の進退を国会に委ねた朴大統領の談話に反発し、12月3日の集会デモは全国で232万人が参加する最大規模に膨れ上がった。朴槿恵大統領はさらに追い詰められた。
 朴槿恵大統領は12月6日、青瓦台で与党・セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表と鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表と55分にわたって会った。朴大統領は、与党のセヌリ党が「来年4月辞任、同6月大統領選挙」という党論を決めたということを聞き「その時から、そのまま受け入れなければならないとずっと考えてきた」と語り、与党の党論である「来年4月辞任」を受け入れる考えを示した。
 さらに朴大統領は「弾劾訴追の手続きに従い、(弾劾訴追案が)可決されても、憲法裁判所の過程を見ながら、国民のために落ち着いて淡々と行く覚悟ができている」と述べ、弾劾訴追への覚悟ができていると語った。
 朴大統領の「来年4月辞任受け入れ」の決断が12月9日の弾劾訴追案の表決にどういう影響を及ぼすか。韓国政局の焦点は12月9日に行われる表決の結果になった。朴大統領に対する「弾劾列車」は走り出すのだろうか。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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