トランプ政権「閣僚・重要ポスト人名録」 (3)

レックス・W.ティラーソン国務長官、ニッキー・ヘイリー国連大使

執筆者:足立正彦 2017年2月6日
エリア: 北米
 

5.レックス・W.ティラーソン国務長官(64)

 エクソンモービル会長兼CEOから国務長官に指名され、1月23日の上院外交委員会では賛成11票、反対10票の僅差で承認。そして2月1日の上院本会議において、賛成56票、反対43票と、これまた僅差で承認を受け、正式に就任した。43もの反対票は、歴代の国務長官としては史上最多である。ちなみに、前任の民主党ジョン・ケリー氏は反対3票、さらにその前任ヒラリー・クリントン氏はわずか2票だった。

 トランプ大統領は米ロ関係の修復に前向きであり、ロシアで積極的に事業展開を行ってきたエクソンモービル首脳を国務長官に起用することで、トランプ政権下の対ロシア外交は改善に向けて進展する可能性が指摘されている。ティラーソン氏は、対ロシア経済制裁措置を長期的に発動し続けることは米国企業のビジネスに打撃になる、との見解を上院外交委員会での指名承認公聴会で明らかにしていた。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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