サイバーウォー・クレムリン (1)

ロシアの「新ネット規制」標的は「メッセージサービス」

執筆者:小泉悠 2017年5月24日
エリア: 北米 ヨーロッパ
着々と「サイバーウォー」を仕掛けている(C)AFP=時事

 

 米政権が「ロシアゲート」疑惑をめぐって揺れている。そもそもの端緒は、昨年の米大統領選渦中でロシアが民主党候補ヒラリー・クリントン側にサイバー攻撃を仕掛けていたという疑惑だった。その真偽はさておき、ここにきてロシアは国内外でさまざまなサイバー関連の動きを見せている。この連載ではそうした動きを分析していきたい。

 今年5月2日、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ監督庁(ロスコムナゾール)は、メッセンジャーサービスを提供する一部インターネット企業へのアクセスをブロックすると発表した。ロスコムナゾールはロシア国内での操業を認めない「禁止サイト」リストを作成しており、ここに登録されたサイトはロシア国内からのアクセスがブロックされる。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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