サイバーウォー・クレムリン (2)

ネット企業を攻めあぐねるロシア政府の「焦り」と「苛立ち」

執筆者:小泉悠 2017年7月6日
エリア: 北米 ヨーロッパ
ロシア政府の新たな標的になったメッセンジャーサービスの『Telegram』  (C)AFP=時事

 

 前回の拙稿(2017年5月24日「ロシアの『新ネット規制』標的は『メッセージサービス』」)では、ロシア政府がSNSやメッセンジャーサービスを標的としてネット監視を強化している状況を紹介した。インターネット統制を進めたいロシア政府は、ロシア人ユーザーに関する個人情報をロシア国内のサーバーに保存するよう国内外のネット企業に求めており、応じない一部企業に対してはアクセスをブロックするなどの措置に出ているというものである。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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