【賀衛方・北京大学教授「独占」インタビュー】「習近平体制」の行き詰まりを物語る「劉暁波」の悲劇(下)

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2017年7月24日
エリア: 中国・台湾
言論を封殺されながらも厳しい体制批判を続ける賀衛方教授(筆者撮影)

 

野嶋:鄧小平から江沢民、江沢民から胡錦濤、胡錦濤から習近平と、指導者が交代するごとに民主化や言論の自由が進むのではないかという期待が裏切られ、日本社会でも、中国の政治的な変化には悲観的な見方が強まっています。

賀衛方教授:胡錦濤と温家宝の政権になった2002年から2003年ごろは「胡温新政」と呼ばれ、民は大きく期待し、『南方周末』はシリーズで特集を組んで胡温新政へのエールを送り、私もこの連載に参画しました。言論の自由や司法制度の改革で変化が起きてほしいと期待しました。しかし、今年「19大」が開かれるにあたり、中国の知識界は沈黙に包まれ、言葉は消えて、誰も何も語りません。当局に向かって物を言うのは恐ろしいことだとわかったからです。中国の古い言葉に「哀莫大于心死」というものがあります。いちばん悲しいのは心を持たずに生きることです。中国人の心はすでに死んだと言えるでしょう。これは最も悲しいことです。

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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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