「石油vs.天然ガス」の「代理戦争」だった「盟主」サウジの対カタール断交

後藤康浩
執筆者:後藤康浩 2017年8月4日
エリア: 中東
カタールの首都ドーハに立ち並ぶ高層ビル群。LNGの賜物だ (C)AFP=時事

 

 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など4カ国によるアラブの同胞カタールとの断交は、解決の糸口が見えないまま対立が固定化しつつある。カタールの背後にいるイランとサウジの宗教・外交上の対立、カタールのムスリム同胞団への支援、さらに世界で最も豊かな国の1つになったカタールに対するサウジの嫉みなど、幾つかの背景分析が出ているが、エネルギーの観点では別の構図が浮かび上がる。それは「石油対天然ガス」の代理戦争である。世界最大の石油輸出国であるサウジと、世界最大級の液化天然ガス(LNG)輸出国のカタールが化石燃料の覇権をめぐって争っているとみれば、対立は予想以上に深刻で、長期化するとみるべきかもしれない。

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執筆者プロフィール
後藤康浩 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』ナビゲーター、ラジオ日経『マーケットトレンド』などテレビ、ラジオに出演。講演や執筆活動も行っている。著書に『ネクスト・アジア』『アジア力』『資源・食糧・エネルギーが変える世界』『強い工場』『勝つ工場』などがある。
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