[メキシコシティ発]空前の原油価格高騰の中で、隠れた産油国メキシコが窮地に追いやられている。国の歳入の約三分の一を原油収入に依存している同国にとって、原油高は一見、追い風になりそうだが、現在、国内の石油産業は危機的状況に陥っており、国民の石油資源に対する複雑な感情から政府の処方箋にも抵抗が強く、国全体が揺れている。 原油生産量が世界六位、確認埋蔵量十四位のメキシコは、石油を含む天然資源はすべて国家に属すると憲法で規定。基本的に原油採掘などへの民間参入を認めず、国営のメキシコ石油公社(ペメックス)が石油分野を独占する。
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