「南北対話」は「オリーブの枝」か(3)「平昌五輪」北朝鮮参加の「期待」と「思惑」

執筆者:平井久志 2018年1月12日
エリア: アジア
「牡丹峰楽団」(写真)など北朝鮮ガールズチームの平昌入りを望む声は多いが…… (C)AFP=時事

 

 南北は、北朝鮮が平昌五輪に大型代表団を派遣することを決めたことを受け、先発隊の派遣も含めた実務協議を今後行うことにした。

 北朝鮮は8つのカテゴリーの団体を派遣するとしているが、このうちの「高位級代表団」が誰になるのかは、今後の南北関係を占う上でも重要な問題だ。

「高位級代表団」は誰に

 韓国の仁川で開かれた2014年のアジア競技大会では、閉会式出席のために崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記(当時)、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長(同)、金養建(キム・ヤンゴン)党統一戦線部長(同、死亡)の「金正恩氏側近3人組」が訪韓し話題になった。3人が当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談するかどうかが注目されたが、結局は実現しなかった。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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