中国「一帯一路」ブルネイ「石油依存」で絡み合う「思惑」

春節を前にしたブルネイの華字紙『今日の汶莱(ブルネイ)』 (筆者撮影、以下同)

 

 今年の春節(2月16日)の三が日をブルネイで過ごした。正式国名は「ブルネイ・ダルサラーム」である

 シンガポールのチャンギ空港を発ったのが春節大晦日に当たる2月15日夜9時過ぎ。ブルネイの首都・バンダル・スリ・ブガワンの国際空港に着いたのは11時半を過ぎていた。空港ロビーを出る頃には日付が変わり、春節の元旦となっていた。ボーン、ボーンという音に少し遅れ、前方に広がる漆黒の闇空に新年を祝う花火が次々に打ち上がる。迎えの車の運転手に中国語で「恭喜発財(コンシーファーツァイ)」と声を掛けると、あまり喜んだ風ではない。そこで広東語で「恭喜発財(コンヘイファッチョイ)」と切り替えると、喜色満面に広東語で返して来て会話が弾んだ。聞くところでは、彼の父親が広東省出身だという。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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