岩瀬昇のエネルギー通信 (24)

「藻からジェット燃料」ビジネスに本格進出した「エクソン」の勝算

執筆者:岩瀬昇 2018年3月16日
タグ: 日本
エリア: 北米
シェールガス採掘のため稼働する「コンソール・エナジー」社の水平掘削機(C)AFP=時事

 

 2年ほど前、若い人たちとやっている「エネルギーと新興国」をキーワードとする勉強会で、「ちとせ研究所」の創設者CEO(最高経営責任者)の藤田朋宏氏をお招きして「藻から作った燃料で飛行機は飛ぶか」というお話をしてもらったことがある。結論は、理論的には出来ないことではないが、現時点ではエネルギー収支が合わず、経済的に実現することは困難、というものであった。

 おそらく「2020年東京オリンピック」の時に、飛行機が藻から作ったジェット燃料で国立競技場の上空を飛ぶ、という夢は実現できないのだろうな、と出席していた誰もが感じたはずだ。いや、南の国と比べると太陽の恵みに限界がある日本では、当分のあいだ前進するのも難しいだろう、と。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top