岩瀬昇のエネルギー通信 (101)

日本企業ではあり得ない「シェル」の重大決断

執筆者:岩瀬昇 2018年12月4日
タグ: 国連 日本
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 テヘランから横滑りで赴任した2度目のロンドン勤務から帰国し、出向先の石油開発会社に出社したのは2002年のゴールデンウィーク明けだった。

 それからどのくらい後だったのか、正確には記憶していないが、経営幹部との会合の場で驚かされたことがある。単に筆者が「無知」だっただけなのだが、経営幹部が「ようやく無借金経営になれた」と胸を張っていたのだ。

 筆者が驚いたのは、帰任直前に読んだ『フィナンシャル・タイムズ』(FT)の記事があったからだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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