「新型コロナ対策」米FRB「緊急利下げ」で迫られる「黒田日銀」の決断

執筆者:鷲尾香一 2020年3月5日
国会では「躊躇なく緩和」と答弁していたが(2月4日、衆院予算委員会にて)(C)時事
 

 成す術もなく、金融政策の“現状維持”を続けているだけで、完全な手詰まり状態に陥っていた日本銀行に、不謹慎なたとえではあるが、「新型コロナウイルス」という“神風”が吹いた。

 この新型コロナによる「新型肺炎」での死亡者は国内でも世界でも増加が続いており、中国を中心に生産活動の大幅低下や、サプライチェーンの混乱が続いている。

 世界経済悪化の懸念に対して、3月3日にはG7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁が緊急電話会議を開催し、新型コロナの感染拡大に伴う景気下振れリスクに対応すべく「あらゆる適切な政策手段を用いる」とする共同声明を発表した。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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