新・マネーの魔術史:未来篇 (63)

「ディエム(旧リブラ)」の発行が間近か?

執筆者:野口悠紀雄 2020年12月11日
ディエム(旧リブラ)公式HPより

 

「ディエム(旧リブラ)」が来年早々に発行されるかもしれない。その仕組みにはまだはっきりしない点もあり、当局がその使用を認めるかどうかにも不確実性が残っているが、世界のさまざまな国で使用できる可能性がある。そうなれば、国際間の決済だけでなく、国内でも広く利用されるだろう。それは、デジタル人民元への対抗策にもなるだろう。

当局の抵抗にあったリブラの予想以上の進展

『フィナンシャル・タイムズ』は、フェイスブックが主導するデジタル通貨「ディエム」が来年1月にも発行される可能性があると報じた(12月1日に「リブラ」が「ディエム」に改称された。また、「リブラ協会(Libra Association)」は、「ディエム協会(Diem Association)」と改称された。以下では、これらの名称を用いる)。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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