【韓国大統領選直前現地レポート(1)】急転直下「野党候補一本化」の内幕

執筆者:平井久志 2022年3月5日
エリア: アジア
3月3日、大統領候補一本化で合意し、握手する尹錫悦候補(左)と安哲秀候補(右)EPA=時事
投票日まであとわずかの韓国大統領選挙。だが見えてくるのは将来のビジョンではなく、野放図な公約とスキャンダル合戦。その惨憺たる状況の中で突然、野党候補が一本化を発表した。最新情勢をソウルからレポートする。

 韓国大統領選挙は3月9日の投票まであと6日という3月3日、大きな動きを見せた。同日午前8時、最大保守野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補と、中道野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補が電撃的に候補一本化で合意したと発表し、安哲秀候補は同日、中央選挙管理委員会に候補辞退の届けを出した。

深夜の会談で合意

 韓国では3月2日に最後のテレビ討論が行われ、尹錫悦候補と安哲秀候補は他の与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補、左派政党「正義党」の沈相奵(シム・サンジョン)候補とともに激しい舌戦を繰り広げていただけに驚きの「候補一本化」だった。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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