欧米の研究者の間で「腐敗した独裁者」とみなされ、中国共産党からは「人民の公敵」と位置づけられた男。その評価が、いま劇的に変わりつつある。五十五年間、一日も欠かさずにつけられた日記をひもときながら、世界中で沸き立つ再評価のうねりをレポートする。[台北発]蒋介石のひ孫は、饒舌だった。「両蒋が神格化されなくなった時代に、我々は何をすべきか。いま、台湾でも中国でも、人々は神を求めていない。みんなに居心地のよいイージーな歴史を見せたい。それが私の目指す方向。家族を使ってお金もうけはしない。両蒋のキャラクターグッズは、ただ興味があって、やってみただけなんだ」
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