香港証券取引所で外国企業の新規株式公開(IPO)が増え始めている。二〇〇九年秋に米カジノ大手ラスベガス・サンズとウィン・リゾーツがそれぞれマカオ事業会社を上場させたほか、一〇年一月にはアルミ世界最大手のロシアのUCルサールが最大二百億香港ドル(約二千四百億円)を調達するIPOを実施。香港証取が進める国際化戦略が実を結びつつある。 外国企業の誘致強化には訳がある。香港では〇九年に計六十九社が上場し、IPOに伴う資金調達額は総額約二千四百億香港ドル(約二兆八千億円)と米ニューヨーク証取などを上回り世界トップとなった。が、新規上場案件の大部分は中国企業によるもの。上海市場などの整備が進めば「中国の資金調達センター」としての優勢が弱まる恐れがあり、これが香港証取を国際化に向かわせている。
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