北朝鮮の金正日総書記が突然訪中し、上海、広州、深センなどを回った。一九九二年に深セン、珠海、上海を訪ねて「南巡講話」を発表、改革・開放を推進したトウ小平氏の旅程と似ており、金総書記が今回の「南方視察」を機に、経済改革を新たな段階に進める可能性が強まっている。 北朝鮮では金総書記訪中の最中の一月十二日に故・金日成主席の叔父、金亨権氏の死去七十周年の追悼式が行なわれた。が、普通なら出席するはずの趙明禄軍総政治局長、金永春総参謀長、金鎰チョル人民武力相ら軍幹部は欠席。総書記が訪中に同行させたと見られる。経済実務官僚に加えて、経済改革の「抵抗勢力」にも中国の改革・開放の現場を見せようと目論んだようだ。

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