古代・中世の栄枯盛衰は言うに及ばず、「消え去った国家」は現代世界でも珍しくない。歴史の流れに呑み込まれた南ベトナムやソ連、東ドイツから、いったん独立をうたったものの長続きしなかったビアフラ共和国(ナイジェリア)やクライナ・セルビア人共和国(クロアチア)まで、数え切れない。
ウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」もたぶん、そのような国の1つになるだろう。ロシアの支援を当てに独立を宣言したものの、シリア空爆に関心が移った親分から見放され、その存続は風前の灯火だ。
それだけに、この「国」が存在するうちに訪問したいと考えた。その時の様子を、少し時間が経ってしまったが報告したい。

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