IAEA「日本核武装“潔白宣言”」の意味

執筆者:北村隼郎 2004年8月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 日本

国際原子力機関が「日本は核武装を目指していないことを確認した」と発表。日本人初のIAEA事務局長が誕生する可能性も出てきた。[ウィーン発]「これまでの日本への査察の結果、今後は統合保障措置を日本に適用できるとの結論に達した」――。六月十四日に開幕したIAEA(国際原子力機関)の定例理事会で、エルバラダイ事務局長は理事会恒例のやや長い冒頭演説の後段で、さりげなく報告した。「統合保障措置」(Integrated Safeguards)とは、IAEAが長期間の査察の結果「核兵器開発の疑いが極めて少ない」と判断した国にのみ適用する簡素化された査察方式のことである。これまでオーストラリア、インドネシア、ノルウェーに適用されていたが、今回新たに日本、ポーランド、ブルガリア、リトアニア、ラトビア、エクアドルの六カ国が加わった。中でも日本は、五十二基もの商業用原子炉(米仏に次いで世界三位。核兵器非保有国としては一位)が稼働する「原発大国」だけに、関係者の間では、今回の適用決定は「世界の原子力史上、画期的な出来事」(IAEA幹部)と言われた。 日本がIAEAの核査察を受け入れるようになってほぼ三十年後に出た今回の「日本潔白宣言」は、軍事、民生両面で世界の核管理体制が見直され始めたなかで、“世界核クラブ”における日本の位置付けを大きく変える可能性がある。

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