国境を跨いだ中朝経済協力の意味

執筆者:平井久志 2011年1月19日
エリア: アジア

 中朝国境の都市、丹東市浪頭で昨年12月31日、厳しい警戒態勢の中で、中朝国境を流れる鴨緑江に新設する橋「中朝(朝中)鴨緑江橋」の着工記念式典がわずか15分間で行われた。この新しい橋の建設は2009年10月に温家宝首相が訪朝した際に最終合意したが、合意から1年2カ月ぶりの着工であった。建設地点をめぐり中朝間で意見調整が難航し、北朝鮮側が周辺道路の整備なども求めたために着工が遅れた。12月31日という年末の着工式は「年を越してはならない」という中朝双方の強い意志の表れであったが、実際の本格的な工事は春からになるという。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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