経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(38)

「反腐敗」「民族主義」という中国政治の2つの軸

田中直毅
執筆者:田中直毅 2011年8月5日
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: 中国・台湾
中国に強制送還され北京国際空港で逮捕された頼昌星容疑者 (C)AFP=時事
中国に強制送還され北京国際空港で逮捕された頼昌星容疑者 (C)AFP=時事

 2011年7月23日は1年後の秋からの中国共産党の指導体制を占うに当って、分水嶺を形成した可能性がある。2つの要因が重かったからだ。ひとつはアモイを舞台に起きた巨額密輸事件の主犯格、頼昌星がカナダから強制送還され、北京国際空港で逮捕されたことである。そしてもうひとつは浙江省温州市で起きた「和諧号」の脱線転覆事故である。前者は胡錦濤総書記が図って実施したものであり、後者は事故が切り捌いた中国社会の断面の露出である。  中国の今後の政治変動を占ううえで、どのような分析枠組みが有効なのかが即座に試されよう。いまだ世界中の中国分析者にあっても確たる説はない。

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執筆者プロフィール
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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