国際人のための日本古代史
国際人のための日本古代史(18)

中尊寺金色堂を建立した「東夷の遠酋」藤原清衡の夢

関裕二
執筆者:関裕二 2011年8月9日
カテゴリ: 文化・歴史
世界遺産に登録された中尊寺の金色堂[文化庁提供](C)時事
世界遺産に登録された中尊寺の金色堂[文化庁提供](C)時事

 中尊寺(岩手県西磐井郡平泉町)が、ようやく世界遺産に登録された。中尊寺は法隆寺や東大寺と同レベルの至宝であるにもかかわらず、登録は遅れに遅れた。日本人自身の認識と関心が低かったためではあるまいか。  いまだに、中尊寺を「京の亜流」と考えている人が多い。藤原清衡(きよひら、1056-1128)は都から工人や仏師を呼び寄せ、黄金をふんだんに使い、贅をこらして金色堂を建立しているため、成金趣味のイメージも、どこかにある。  だが、どれもこれも誤解なのだ。中尊寺の美しさは、飛び抜けている。同時代の京の仏教美術を凌駕している。なぜ、「京の真似」であった中尊寺が美しいのかについては、9月に発行される『芸術新潮』で詳述するが、それよりも、今回注目しておきたいのは、中尊寺の戦略上の意味と、奥州藤原氏の夢についてである。

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執筆者プロフィール
関裕二 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』(以上、新潮文庫)、『伊勢神宮の暗号』(講談社)、『天皇名の暗号』(芸文社)など著書多数。
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