ワシントンD.C.で:2012年大統領選挙は「信任投票」か、「選択」か

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年11月7日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 ボストン、ニューヨーク、ワシントンで意見交換した民主党、共和党のそれぞれの関係者やコンサルタントの多くが2012年米国大統領選挙について異口同音に述べていたことで非常に印象深かったものがある。それは2012年大統領選挙の性格についてであり、バラク・オバマ大統領の過去4年間の実績に対する有権者の「信任投票(“referendum”)」になるのか、あるいは、現職オバマ大統領と今後決定される共和党大統領候補との「選択(“choice”)」のどちらになるかで大統領選挙の性格は大きく異なるであろうとの見方であった。

 米国経済は低迷し、失業率も高止まりで推移する中、米国民の約8割が米国は現在間違った方向に進んでいると先行きに対する不安を示している。各種世論調査でもオバマ政権の経済政策に対してネガティブな評価の方がポジティブなそれを大幅に上回っている。そうした状況では、過去4年間のオバマ大統領の実績に基づいて有権者が判断して投票行動を行なった場合、オバマ再選の可能性は極めて低くなる。

 だが、有権者が現職オバマ大統領と共和党大統領候補とを比較した場合、共和党大統領候補の資質や政策によっては、経済状況が好転しない状況でも、大統領支持率が低迷しているオバマ大統領をやむを得ず「選択」する可能性も出てくる。そうすれば、オバマ大統領が共和党大統領候補を破って再選を果たすことも可能となる。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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