野党優位の予想覆し「大接戦」の韓国総選挙

平井久志
執筆者:平井久志 2012年4月6日

 北朝鮮の「衛星」打ち上げや権力継承の陰に隠れているが、4月11日投開票の韓国の総選挙が近づいてきた。

 2月15日にレポートした「『ありえない連続スキャンダル』『再編』に揺れる韓国政界」段階では野党優位の情勢だったが、韓国政治はやはり予断を許さない。結論を先に言えば、野党優位の構造が崩れ、与党のセヌリ党と野党の民主統合党のどちらが第1党になるか分からないような大接戦になっている。

米韓FTAと海軍基地建設問題

 先のレポート後に、与野党間で争点になったのは米韓自由貿易協定(FTA)問題だった。民主統合党の韓明淑(ハン・ミョンスク)代表は2月15日に記者会見し、李明博(イ・ミョンバク)政権の米韓FTAに対する外交姿勢を「屈辱的」と批判し「総選挙で勝利すれば再交渉と全面再検討を求め、できなければ廃棄するしかない」と主張した。これに対して、与党側は米韓FTAは本来、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に締結交渉を始めたものであると批判した。朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党非常対策委員長は「米韓FTAを破棄しようとする人々に国は任せられない」と野党側を糾弾した。

 さらに、済州島での海軍基地建設問題が争点として浮上。これも盧武鉉政権時代に始まった問題だが、民主統合党が反対しているために与野党の争点となった。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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