溶ける電力業界 解体・再編へ

執筆者:杜耕次 2012年8月1日
エリア: 日本
電気事業連合会会長も兼ねる八木誠・関西電力社長 (C)時事
電気事業連合会会長も兼ねる八木誠・関西電力社長 (C)時事

 電力業界の“メルトダウン”が加速している。大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機は7月にフル稼働したものの、業界悲願の「国内50基すべて再稼働」はまったくメドが立たない。需要が高まる夏場を迎え、各社は代替電源の火力発電向けの燃料費が嵩むばかりで台所は火の車。中部電力原子力部の課長が「(福島の原発事故で)放射能の直接的な影響で亡くなった人は1人もいない」(7月16日、政府の原発比率を巡る意見聴取会での発言)と“原子力ムラ”の理屈を説き、関西電力社長の八木誠(62)が「次(の再稼働)は高浜3、4号機が最有力」(同25日、福井県おおい町で記者団に発言)とアドバルーンを上げても、国民の不信感は収まるどころか膨らむ一方。7月29日投開票の山口県知事選では「脱原発」のイデオローグでもある飯田哲也(53)が出馬表明から2カ月足らずで約18.5万票(得票率35.0%)を集めた。毎週数万人が集まる首相官邸、国会周辺のデモへの懸念も高じて永田町、霞が関には波紋が広がり、民主党政権の「粛々と再稼働」路線は大きく揺らいでいる。

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