最有力「ジョン・ケリー国務長官」への慎重論

足立正彦
執筆者:足立正彦 2012年11月12日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 今月6日に投開票が行なわれた米国大統領選でバラク・オバマ大統領はミット・ロムニー共和党大統領候補に勝利し、再選を果たした。今週からクリスマス休暇までのサンクスギビング(感謝祭)休暇の週を除き5週間招集されるレイムダック会期では、年内に失効するブッシュ減税と来年1月から実施されることになっている歳出の強制削減によりもたらされる「財政の崖(“fiscal cliff”)」の回避問題について、オバマ大統領は野党共和党と妥協点を見出すために本格的協議を行なうことになっている。欧州債務危機は依然楽観視できず、中国経済の減速感も鮮明となる中、与野党は妥協を図り、米国経済の景気後退によって世界経済にさらなる先行き不透明感がもたらされる事態を避けなければならない。

 オバマ大統領には「財政の崖」の回避問題への対応と同時に取り組まなくてはならない喫緊の課題がある。それは約2カ月後の来年1月20日にスタートさせる、第2期政権の主要閣僚の指名承認問題である。ヒラリー・クリントン国務長官、ティモシー・ガイトナー財務長官らは、オバマ大統領が再選された場合でも1期限りで退任する意向を大統領選前に明らかにしている。また、2011年7月にロバート・ゲイツ国防長官の後任として就任したレオン・パネッタ長官も退任するのではと憶測されている。大統領選直後の今月9日には、連邦調査局(FBI)による調査の結果、デヴィッド・ペトレイアス中央情報局(CIA)長官が駐留アフガニスタン司令官当時に同行取材して自伝を著した女性作家と不倫関係にあったことが発覚し、辞任に追い込まれている。このようにオバマ大統領は、国務長官、国防長官、財務長官などの主要閣僚人事の指名を行なわなければならない。本稿では、大統領選と同時に行なわれた連邦議会選挙が次期国務長官人事に及ぼしている影響に焦点を当てたい。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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