鄧小平の負の遺産からの脱却を促せ――安倍政権の外交指針

執筆者:中西寛 2013年1月7日
エリア: 中国・台湾 日本
 衛星から撮影された中国の空母「遼寧」(c)AFP=時事
衛星から撮影された中国の空母「遼寧」(c)AFP=時事

 2011年12月からの1年間に、東アジアにおいて重要な7つの国・地域の指導者が交代ないし選挙の洗礼を受けた。時系列では、北朝鮮(金正日総書記→金正恩第一書記)、台湾(馬英九総統再選)、ロシア(メドヴェージェフ大統領→プーチン大統領)、アメリカ(オバマ大統領再選)、中国(胡錦濤総書記→習近平総書記)、日本(野田佳彦首相→安倍晋三首相)、韓国(李明博大統領→朴槿恵大統領)である。再選、復活、新顔とさまざまだが、新政権は共通の課題を抱えている。それはアメリカ覇権後の東アジア秩序を探求するという課題である。

アメリカ主導から米中主導へ

 大づかみに言えば1980年頃からリーマン・ショックのあった2008年までの東アジアは、アメリカ主導のグローバル化、市場経済の普及の中で生きてきた。アメリカは「レーガン連合」と呼ばれる共和党主導の政治体制の下で、金融とIT産業を主軸とした資本主義経済の再編を主導した。日本はバブルとその没落を、ロシアは共産主義体制の破綻を経験し、韓国と台湾は平和的に民主体制へと移行した。中国は鄧小平が敷いた「特色ある社会主義」路線の下で改革・開放を実行し、日本と肩を並べる経済大国となった。北朝鮮ですら水面下ではアングラ経済化が進んだと言われる。

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執筆者プロフィール
中西寛 1962年生れ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。米シカゴ大学歴史学部博士課程留学などを経て、2002年から京都大学教授。『国際政治とは何か』(中公新書、読売・吉野作造賞受賞)、「新しい日本外交の基本方針」など著書・論文多数。編著に『歴史の桎梏を越えて 20世紀日中関係への新視点』(千倉書房)、『新・国際政治経済の基礎知識』(有斐閣)など。
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