検証・米軍再編 そして軍事力強化に走る韓国

平井久志
執筆者:平井久志 2004年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

削減される駐留米軍の兵力は三割強。北朝鮮との緊張緩和を主張しつつも、盧武鉉政権は国防予算を増加させている。[ソウル発]韓国における米陸軍第八軍は「TRIP WIRE」(爆発物などと連動する仕掛け線)と呼ばれ、在韓米軍将兵の生命を「人質」にすることで、朝鮮半島での戦争を抑止する重要な役割を果たしてきた。その数、約三万七千人。内訳は二万八千人の陸軍、約八千七百人の空軍、約四百人の海兵隊だが、一万二千五百人の削減は既成事実化している。それに伴って、「TRIP WIRE」の中核として軍事境界線に配置されてきた第二歩兵師団のソウル南方移転が決まり、在韓米軍の役割と機能は大きく変化しようとしている。 当面、米韓両国の協議の焦点は、一万二千五百人の削減時期と、削減対象部隊の決定となる。米国は二〇〇五年末までの削減を狙い、逆に韓国は早くとも二〇〇六年以降に引き延ばしたい意向だ。 二〇〇二年十二月、両国はワシントンで開いた米韓定例安保協議で同盟関係見直し協議(FOTA)設置を決め、在韓米軍の削減や再配置に関する協議を始めた。そして、今年八月十九日から二日間、ソウルで開かれたFOTA第十一回協議で、ソウルの龍山基地の移転に向けた包括協定(UA)と履行合意書(IA)が仮署名され、第二歩兵師団の再配置などと関連して進めてきた連合土地管理計画(LPP)協定の修正合意書も署名された。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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