オバマの「リベラル寄り政策」と民主党上院議員の再選問題

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年2月5日
エリア: 北米

 先月3日に第113議会(2013年1月-2015年1月)が召集され、現在、銃規制強化案、移民法改正、連邦政府の歳出削減などに大きな焦点が当てられつつ審議が行なわれている。バラク・オバマ大統領は、先月21日に米連邦議事堂前で行なった大統領就任演説の中で、メディケア(高齢者向け公的医療保険制度)やメディケイド(低所得者・身体障害者向け公的医療保険制度)などの政府給付プログラムの継続、銃規制の強化、同性愛者の権利擁護、気候変動対策などのリベラルな社会的争点に取り組んでいく姿勢を明らかにして、第2期目を本格的に始動させた。

 だが、今後、オバマ大統領がこうしたリベラル色が鮮明な社会的争点を推進していくことに対し、野党共和党からだけではなく、与党民主党内からも抵抗を受ける可能性がある。1年9カ月後の2014年11月4日に実施される中間選挙で、改選期を迎える穏健派の民主党議員にとっては、オバマ大統領が推進しようとしているリベラルな社会的争点を支持することは、2014年中間選挙での自らの再選を困難にする大きなリスクとなりかねないためである。

 下院は、現在、共和党が多数党の立場にあるが、上院では民主党会派(民主党系無所属2名を含む)が55議席となっており、45議席の共和党を10議席引き離している。だが、2014年中間選挙で改選期を迎える上院議員35名については、民主党現職が21名なのに対し、共和党は14名にとどまっており、民主党はより多くの現有議席を死守しなければならない「守りの選挙」を強いられることになる(表参照)。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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