どんなに立派な理論を唱えても、実践できなければ空論に過ぎない。中央銀行は理論と実践の整合性が求められるが、最近の日銀は空論が目立つ。「情報収集能力が衰え、実態把握が十分でない」(幹部)ためだ。現実認識が甘ければ、「万が一」の事態に対応できない。日銀は存在意義を問われかねない状態にある。 中央銀行は本来、公的機関の中では最も現実を知る組織である。日々のマーケットオペレーション(市場操作)や金融機関へのヒアリングを通じ、金融界や金融市場の実情を詳しく把握できるからだ。だからこそ、何かあった時には「金融界の駆け込み寺」になれる。
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