進む「胡錦濤独裁」、しかし追いつめられる共産党

執筆者:藤田洋毅 2005年3月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中国・台湾

上海閥も太子党も“退治”した。難関といわれた軍すらも改革しつつある。しかし、中国共産党の危機は、そんなことでは払拭できない。 昨秋のある日、胡錦濤総書記を乗せた特別機が上海・虹橋空港に到着、上海市のトップである陳良宇・市党委員会書記(政治局員)がゲートに出迎えた。だが、胡の言葉に、陳の顔から血の気が引いた。「あなたには(上海訪問を)通知していません。今後、通知がない場合、迎えに出る必要はありません」。 中国の指導者が国内出張する際は、事前に党中央・国務院弁公庁が出張先の党委・政府と細かく打ち合わせし、最終的に指導者本人・秘書の同意を得て計画が決まる。訪問先の党委書記・省長らが空港や駅に出迎えるのは毛沢東以来の習慣だ。 だが、なぜ、胡は陳にまったく知らせずに、突然、上海に乗りこんだのか。いまなお公表されていないこの上海電撃訪問ほど、中国政局の現状を象徴するシーンはない。 まず、見逃せないのは訪問時期だ。胡は、昨年十一月十一―二十三日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議出席などのため、中南米四カ国を訪れた。上海訪問は、複数の中国筋によれば「外遊の直前か直後」。九月中旬の第十六期党中央委員会第四回総会(四中総会)で、江沢民・党中央軍事委主席の完全引退が決定し、胡の全権掌握への足がかりが整ってから間もなくのことだった。

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