「アドバーテインメント」に蝕まれるアメリカ

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2005年5月号
エリア: 北米

その“体現者”オプラ・ウィンフリーのやり方を通し、宣伝と娯楽を渾然一体にする広告業界の現状を描く。[ワシントン発]ファンの間ではただの「オプラ」で通用するオプラ・ウィンフリーは、立志伝中の億万長者で、テレビのトーク番組の女王の座に君臨する。『オプラ・ウィンフリー・ショー』は全米二百十一局、世界百五カ国で放送され、伝えられるところでは年間一億五千万ドル(約百五十七億円)以上を稼ぎ出すという。その影響力たるや、大統領候補までもが彼女のお墨付きを得るため、私生活にまで踏み込んだ鋭い質問を浴びるのも覚悟の上で、番組に出演したがるほどだ。彼女のイニシャルを冠した雑誌『O』は、二百七十万部の発行部数を誇っている。 二〇〇三年、オプラはアフリカ系アメリカ人女性で初めて『フォーブス』誌の「世界の長者番付」に名を連ねた。番組制作や関連著作物に関してもあらゆる決断を下すのはオプラ自身。それが今日の成功を支える重要な鍵となっている。自らのイメージ管理には細心の注意を払い、彼女の会社「Harpo(オプラの綴りを逆にしたもの)」の全従業員には生涯守秘義務契約への署名を課している。「十九年目の始まりよ!」 昨年九月、『オプラ・ウィンフリー・ショー』の最新シリーズが幕を開けた。その開始を告げるオプラはいつにも増して意気軒昂、それを見守る何百万という視聴者のほとんどは女性だ。「新シリーズ一回目の今日は特別よ、私もすごくドキドキしているの」。何が特別なのか? 彼女曰く、これは「途方もない夢をかなえる」シリーズになるからだ。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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