中南米を襲う「ミドルクラス革命」の波

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2013年8月14日
エリア: 中南米

 やや旧聞に属するが、6月6日のサンパウロのバス料金の値上げ(約10円)反対に端を発する大規模な抗議行動がブラジルで起きた。全土で200万人に達する市民が街頭を占拠する、近年のブラジルでは経験のないものだった。来年のサッカー・ワールドカップを前にしたコンフェデレーション・カップが開催されたさ中に起きただけに、国際的スポーツ・イベントそれ自体にも批判の矛先が向けられ、注目された。市民のこうした抗議活動は、新興経済圏として台頭した中南米が景気の後退局面を迎える中で発生しており、7月にはペルーでも同様の抗議行動が起き、両国の政権の支持率が30%台まで急減するなど、政治的な影響を及ぼしている。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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