ブックハンティング・クラシックス
ブックハンティング・クラシックス(6)

とめどなき英語教育論争の原点と答えはここにあり

執筆者:斎藤兆史 2005年7月号
カテゴリ: 書評 社会
エリア: 日本

『英語教育大論争』平泉渉・渡部昇一著文藝春秋 1975年刊 先ごろ、大学院の教え子たちを集めて斎藤英学塾という私的な研究会を発足させた。その名をあえて「英学」塾としたのは、過度に専門分化し、ややもすると高踏主義に流れがちな英語学、英語文学研究、英語教育研究などをつなぎとめる求心力となるような、さらには英語をめぐる現在の日本の混乱状態を打開する力となるような研究会にしたいと考えたからである。塾生たちには、それぞれの専門的な研究に従事しつつ、英米文学作品の輪読、英語そのものの勉強、あるいは英学史や英語教育理論の研究などを通じ、英語をめぐるバランスのとれた知識と教養を身につけてほしいと願っている。 塾の発足が検討されはじめた頃から、最初の例会は読書会にしようと決めていた。課題図書は、平泉渉・渡部昇一の『英語教育大論争』(文藝春秋、一九七五年)。俗に平泉・渡部論争として知られる『諸君!』誌上の英語教育論争をまとめた本であり、昭和の英語教育に関する古典的名著と言っても過言ではない。 記念すべき第一回の例会の主題としてこの本を選んだのは、実用コミュニケーション中心主義の旗印の下に進められてきた過去三十年間の日本の英語教育を総括し、その将来を議論するために、まずはここに立ち返ってみる必要があると思ったからである。

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