郵政総選挙「小泉勝利」の予兆

田勢康弘
執筆者:田勢康弘 2005年9月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

「日本の政治の本質」が変わる選挙になるのかもしれない。自ら「郵政解散」と名づけた総選挙に打って出た首相。古い自民党と、存在感なき民主党は、選挙の争点さえ築けずにいる。 郵政民営化法案が成立していたら、小泉首相はその瞬間に退陣表明していたのではないか、と思う。だれにも己の胸の内を明かさない人だから、ほんとうのところはわからない。ただ、この異端の指導者を観察し続けてきた身としては、直感としてそう感じるとしか言いようがない。この人物には戦略や打算があるように見えて実のところは何もない。一日でも長く総理の座にすわっていたいという欲もない。それがあれば、攻める側がつけいる隙も出てくるが、あるのは古典的な男の美学と、非情さだけである。

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執筆者プロフィール
田勢康弘 ジャーナリスト。1944年中国黒龍江省生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部記者、ワシントン支局長、論説副主幹、コラムニストなどを歴任し、2006年に退社。1996年から1年間、米ハーバード大学国際問題研究所フェロー。また1996年には日本記者クラブ賞を受賞。著書に『指導者論』(新潮社)、『国家と政治』(NHK出版新書)、『総理の演説』(バジリコ)など多数。また、『田勢康弘の週刊ニュース新書』(テレビ東京系)の番組ホストも務めた。
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