1年近く続く罵り合い――離婚裁判の流れ1

執筆者:藤沢数希 2013年10月5日
カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
エリア: 日本

 それでは今回は離婚裁判の流れを説明しよう。離婚裁判とはいっても、手続き上の流れは通常の民事裁判といっしょである。ちがいは、前回説明したように、最初に調停を少なくとも1回やらなければいけないこと、そして、第1審が地方裁判所ではなく、家庭裁判所であることだ。

 

 まず原告(訴える方、以下は夫が原告と仮定する)が訴状を弁護士といっしょに作成する。これは数十ページからときに100ページ以上になることもある。そこで、どういう経緯で結婚に至ったか、どのような結婚生活であったか、そして、それがどのように破綻していったかが、説明される。

 特に重要な部分が、結婚生活が破綻したのは、全て奥さんが悪いということをしっかりと立証することである。奥さんが、家事(子供がいれば育児も)をまったくやらなかった、お金を浪費した、異常な性格であった、そして、浮気を繰り返した、暴力を振るった、などということがつらつらと述べられる。

 また、これは後でくわしく説明するのだが、どちらが悪くても、実質的に結婚生活が破綻しているならば、たとえ悪い方からの訴えであっても、別居期間が長期(最低数年以上-10年程度)にわたり、修復の見込みがなく、さらに未成熟子(扶養の必要が認められている子)もいないならば、離婚を認めようという、「破綻主義」に現在の日本の司法は傾きつつある。よって、夫がいかに奥さんを最初から最後まで愛していなかったのか、結婚は何かのはずみでやってしまった誤りであって、愛情などは最初からなかったのだ、ということも事細かに訴状に書かれていく。つまり、まったくもって愛情がなければ、修復の見込みもない、ということになるからだ。

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執筆者プロフィール
藤沢数希 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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